２りんかんブログ:【NSR250R】現在のエンジンオーバーホール事情を説明！【和光】

2025年02月14日

和光２りんかん　【NSR250R】現在のエンジンオーバーホール事情を説明！【和光】

和光２りんかんチューニングパーツ担当
　＆パワーチェック担当のかのうです

FACEBOOKは広告機能を使用しないと
仕事をせずほぼオワコン化しており。。。

Twitter･Xは拡散力は有るのですがブログや
YOUTUBEなどのリンクを貼ってもあまり
アクセスや再生数が伸びず。。。

確かに自分もTwitter･Xをやっている時は
他のページに飛びたくない。。。

という事で昔よりブログの閲覧数が減って
いるのでちょっとブログモチベーションが
落ちていたのは事実です

過去のブログは未だに沢山の方に閲覧を
頂いているので嬉しい限りです

そんなモチベーションが落ちている中･･･

NSR250R乗りの方、これから【エンジン】の事に関して久しぶりに濃いめなブログを書こうかと思ってます。何か知りたい事とか書いて欲しい内容とかありますでしょうか？今考えているのは【現在のオーバーホール事情】と【エンジンチューニング】の２つのブログを書こうかと思ってます🙆#NSR250R pic.twitter.com/unukezQcKb
— 和光２りんかん【公式】全店で１番の在庫・売上を誇るフラッグシップ店‼️ (@2rinkan_wako) January 17, 2025

というポストを投稿したのですが恐ろしい反響が
ありましてビックリしております

確かに最近NSR250Rどころか２ストエンジンに
触れている雑誌はほとんど無くＮＳＲ専門誌も
アノ方が編集長になってから忙しくて出版でき
ないでしょうし

w そもそもネタが無いか

これだけ２ストエンジンのネタに飢えて
いらっしゃる方が沢山居る事が分かり

ブログを書くモチベーションを爆上げさせて
頂いたので

久しぶりにかなり激濃いめな
ブログを書きたくなってしまいました

こういう前置きが長いのも久しぶりですね

ＮＳＲ２５０Ｒのエンジンについてちょっと
油多め味濃いめに語ろうと思います

今回は【オーバーホール編】で
次回は【チューニング編】

年間数台のＮＳＲのエンジンオーバーホールを
当店はやります

ＮＳＲ２５０Ｒだけです

ＴＺＲやガンマは分からないですし

自分が居なければやることは無いでしょうし
他の２りんかんではやっていません

２りんかんのスタイルはお客様の駆け込み寺
ですから可能な事であればお客様のお助けを
しましょう！　という会社スタンスです

そこで今回のエンジンオーバーホール編は
令和７年今現在ＮＳＲ２５０Ｒのエンジン
オーバーホールをする場合の純正部品事情や
純正が手に入らないパーツはどうするのか？
という事を詳しく書いていきます

　　　　エンジンの組み方などは今回触れません

２０２５年２月の純正部品の価格改定で
純正部品が爆値上がりしているので！！
更に部品は売れなくなって廃番パーツも
どんどん増えるでしょうし２､３年後には
更に値段が上がる可能性があります

エンジンオーバーホールをしてるショップかつ
日本でＮＳＲの純正部品をトップクラスに販売
そしてホンダさんのＮＳＲ２５０Ｒ純正部品の
再生産に(少しだけ)携わった自分だから書ける
こともあるのかと　思いました

年間ＮＳＲだけで数十台パワーチェックを
している事もブログのエッセンスとして
重要なステイタスですね

ホンダさんの純正部品再生産に携われた事が
やはり一番の強みだと思っておりますし！！
NSR250Rの開発に携わった御方と面識ができ
当時の話を聞ける事が本当に強みです

さてさて
今現在エンジンオーバーホール可能なのは

８７　ＭＣ１６ＮＳＲ２５０Ｒ【Ｘ】
８８　ＭＣ１８ＮＳＲ２５０Ｒ【△】
８９　ＭＣ１８ＮＳＲ２５０Ｒ【〇】
９０～ＭＣ２１ＮＳＲ２５０Ｒ【〇】
９４～ＭＣ２８ＮＳＲ２５０Ｒ【〇】

　　　　　　　　　　　になります

ＮＳＲエンジンをオーバーホールをしている
他のショップでも同意見かと思います

ＭＣ１６はただ単純に部品が揃わないので
オーバーホールができません

壊滅的です

ＭＣ２１・ＭＣ２８のエンジンに換装し
乗っていくのも手ですがカラーの製作など
若干ハードルは高めです

逆を言えばカラーさえ作ってしまえば
ＭＣ２１＆２８エンジンに換装可能

しかも上記ブログの通りそのままでは
谷が有ったりピークパワーは有っても
思ったパワーが出ない問題もあります

オーバーホールできないので乗り続ける
ためにはそれが一番近道なのも事実です

ハチハチが【△】なのは最近クランクの軸の
腐食が酷い個体が半数で新品クランクも手に
入らない為断念しなければいけないケースが
出てきてしまっているからです

昔は１０台に１台？くらいだったのですが
最近は本当に半分は駄目なのでは？？？と
いうくらいクランクの軸腐食問題は深刻に
なってきています

８９以降は８８程クランク軸問題も少なく
純正部品もある程度揃いますので今の所は
問題なくオーバーホールＯＫです

ＮＳＲの製造に携わった方からの話で８８と
８９～のクランクは全く別物で焼入れ方など
かなり煮詰めたと言っていました

　　　　　　もっと質問しておけば良かった･･･

令和７年エンジンオーバーホール事情･･･

まずはハチハチエンジン

ホンダ純正部品の供給状況は

●クランクケースＡＳＳＹ【廃番】
●クランクシャフトＡＳＳＹ【廃番】
●シリンダーＡＳＳＹ＆ヘッド【廃番】
●ピストン【廃番】ピストンリング【有り】
●エンジンガスケット系【全て有り】
●ケースベアリング系【全て有り】
●ケースオイルシール関係【ほぼ有り】
●ミッションパーツ【ほぼ廃番】
●クラッチパーツ【ディスクのみ有り】
●キャブインシュレーター【廃番】

　　　　　　という状況です

クランクケースはダメになる事はめったに
無いので大丈夫だとしてクランクシャフト
の軸問題が先ほど書いた通りです

『腐食？軽く磨けば使えんじゃね？？？』と
思う方も居るかもしれませんが！！

画像は持ってなかったので横田輪業横田さんから貰いました！

こんなクランクばかりです最近のハチハチ

純正クランクが手に入らない今どうしようも
無いのですが希望もありまして！！！

井上ボーリングさんが今現在８８クランクを
オリジナルで製作しようと動いてくれてます

もう製作発表から数年たっていますが途絶え
る事なく先日も進展の情報がありました

井上ボーリングさんの続報を待ちましょう

軸を硬質クロムメッキで再生という方法も
まだチャレンジしてませんが検討中です

軸に問題が無ければ井上ボーリングで
クランクのオーバーホールが可能です

ＮＳＲ持病のセンターシールですが８８は
８９～と違いオイルシールがベアリングに
組み込まれておらず別体式です

なのでハチハチはセンターシール抜けが
８９～ほど起こりづらく長く乗れます

センターシールより腐食問題も方が深刻です

長年放置しているハチハチは室内屋内保管に
限らずクランク軸は逝ってる可能性大です

長期保管をしているオーナーさんはエンジン
内部にオイルを回すためにたまにエンジンを
かけるかオイルを吹いてキックしましょう

オーバーホール時クランクセンターシールの
ラビリンス化もできます

そしてシリンダーですがこれは全年式共通の
話でして　過去ブログを貼っておきます

中古で出回っている物は酷いものが多く
使い物にならない物が多くなっています

当店でオーバーホール時　最終手段ＩＣＢＭで
復活させたエンジンが何台かあります

和光２りんかんにはＩＣＢＭシリンダーの
現物があるので見に来てくださいね

MC18の腰下に MC21～の腰上は装着が
できますがどんな弊害があるのか不明
なので当店ではやった事がないです

腰上とチャンバーとＰＧＭは同年式で揃え
無いとパワーが出ませんので注意

ハチハチに８９のＰＧＭ２でもパワーダウン
してしまうので高年式だから良いだろうと
いう考えはナンセンスです

当店のパワーチェックでＭＣ１８に２１の
腰上を組んでいる人が居てちゃんとパワー
が出ている人も居るので絶対ＮＧではない
というのを付け加えておきます

ＭＣ１８にＭＣ２１エンジン　ＰＧＭ-１で
ハイパワーなＮＳＲも存在します

同仕様でＭＣ２１エンジンに載せ替えだけで
全域パワーが上がったのでＭＣ２１エンジン
の方がパワーが出るんだと思いました

　　　　データが少ないので一概に言えませんが･･･

ピストンはＭＣ２１･２８のピストンを流用
しています

８８と８９ではピストンの品番は違いますし
ＭＣ２１・２８ピストンは加工しないと流用
できない噂がありましたが加工をしなくても
問題が出ていない為そのまま使えるが正解と
思っております

当店がエンジンオーバーホールをする以前
から当たり前の話になっていたのでマネを
させてもらっているというのが実の話

９０からのピストンの方がクラック等の
耐性が強いですし熱の分布を考えられて
いるのでトラブルが起きづらいです

シリンダーヘッド＆ベースガスケットは
純正新品がまだ出ますので嬉しい限り

ミッション系のベアリングも出ますし
オイルシール系も大丈夫です

クランクシャフト右側のオイルシールのみ
純正が廃盤になってますがＴ２レーシング
より同等品が出ているので安心です

ミッションパーツは壊滅的何も出ません

と言いながらＮＳＲミッションは強固です
のでトラブルを抱えているエンジンは
言うほど出ていません

ギヤ抜けが出始めてしまうと止まらない
ので中古ミッションで延命するしか方法
はありません

クラッチアウターとインナーは出ませんが
湿式クラッチは乾式ほど摩耗が少ないので
距離を走っているエンジンでもそのまま
使用できるケースがほとんど

あとはエンジンとキャブレターの間にある
インシュレーターとキャブとエアクリの
間に有る【コネクティングチューブ】が
新品が手に入らないのでここがやられて
いるとアウトです

ＭＣ２８を流用している人もいますが
当店は今の所チャレンジしてません

どちらにしてもインシュレーターは全年式
全滅ですのでそこの問題もあります

という事でその他問題もありますがクランク
シャフトの軸問題が無ければオーバーホール
ができるケースがほとんど！クランクがＮＧ
だとその時点でオーバーホール中断です

井上ボーリングさんのクランクが早く完成
しないかと待ち遠しい所です

お次は８９エンジン

ホンダ純正部品の供給状況は

エンジンはハチハチとほぼ変わらず
なので説明は少なめです

シリンダーとピストンはハチハチと違い
ますし　ＰＧＭもチャンバーもスイング
アームも違いクランクも８９専用です

他の年式には互換性がありません

トータルで見れば別物のバイクですが
オーバーホールで見れば一緒です

ピストンは同じくＭＣ２１＆ＭＣ２８を
流用しオーバーホールします

８８→８９のシリンダーはメッキ処理の
方法が変わったのみで諸元は変わらない
ので気にしなくてＯＫです

変わる所は８９にはＳＰモデルがあり乾式
クラッチ車が存在します

銀テラですね

乾式パーツはＭＣ２８が流用可能ですので
ストックパーツでまだオーバーホールが
できますがクラッチアウター裏側に有る
クラッチケースカバー部のオイルシールが
純正部品で手に入らない為

４輪のスバル純正部品を使用するという
裏技を使っています

これもＮＳＲ界隈の賢人達の知恵を拝借
している感じです

８８＆８９をまとめるとクランクは井上
ボーリングでオーバーホールが可能なので
そちらでリフレッシュしピストンは流用技
でシリンダーがＮＧな場合は　同じく井上
ボーリングさんにお願いしてホーニングか
再メッキをしております

再メッキができないほどダメージが酷い
シリンダーはＩＣＢＭで復活させてます

井上ボーリングさんに全信頼を寄せている
のでシリンダーとクランクは全ておまかせ
しております

ウォーターポンプ周りはポンプギヤは社外品
そして純正シール＆ベアリングは新品が出る
のでそちらでＯＨしております

ラジエターホースは一部出ないので社外品
で交換する事もあります

お次はＭＣ２１＆ MC２８！

ホンダ純正部品の供給状況は

●クランクケースＡＳＳＹ【廃番】
●クランクシャフトＡＳＳＹ【有り】
●シリンダーＡＳＳＹ＆ヘッド【廃番】
●ピストン【有り】ピストンリング【有り】
●エンジンガスケット系【全て有り】
●ケースベアリング系【全て有り】
●ケースオイルシール関係【全て有り】
●ミッションパーツ【ほぼ廃番】
●クラッチパーツ【下記参照】
●インシュレーター【廃番・再販のも完売】

　　　　　　　　　　　という状況です

８８・８９と状況は結構変わってきます

流用ではなく専用パーツがある程度純正が
手に入り今現在エンジンオーバーホールが
普通にできます

何度も言いますがオーバーホールするのは
本当に今が最後のチャンスです

ほとんどの純正パーツが手に入りますが
激しい摩耗や破損してるパーツが廃番で
泣かされる事も多々ありますが

【クランクケース】
上記でクランクケースはダメになる事は
滅多にないと書いてますが実はクランク
ケースは乗ってると熱で歪みまくります

自分で腰下オーバーホールをする人は
ぜひ定盤の上に外したクランクケースを
【合わせ面】で置いてみて下さい

定盤なぞ一般家庭にない？？？

そんな時は平面なガラスや広めの鏡の上
でも代用は可能です

歪んでいるケースがかなりあります

対角を押してみてカタカタとシーソーに
なるケースが多いですが少しならＯＫ

歪んでいたら全く使い物にならないかと
言えばそうでもなく相当歪んでいなければ
再使用して問題ありません

軽く歪んでいる場合はスルーで結構歪んで
いる場合は軽く面研磨すれば延命できます

結構歪んでいたクランクケースを面研磨で
再使用し次回はケースは使い物にならない
かな･･･と思っていたら次に腰下をバラして
歪みをチェックしたら一切歪みが出ていな
かったという事例もありました

という訳でクランクケースは生物です

　　　　　　　いきものではなくなまものです。

次回のチューニング編でも触れますが
クランクケースがパワーに関係して
いると自分は思っています

９０年式のケースと９１～のケースや
オイルポンプは互換性無いので注意

オイルポンプからクランクに２ストオイル
供給用のラインが追加されています

オイルポンプの形状も２ラインあるのが
９１年式からのオイルポンプです

ポンプによりここからオイルが送られ

ほんでここから出ます

９０はありません

クランクケースはアッパーもロアーも
９１年式から全く変わっていないので
共通で使えます

今回のブログはロングになる事をためらって
いないのでドンドン続きますし　まだまだ
書きまくっていきます

【クランクシャフト】
クランクシャフトのオーバーホール・新調
ですが４つの選択肢があります

①純正新品のクランクシャフトを組み込む
②今のクランクを通常センターシール仕様
　　新品ベアリングでオーバーホールする
③今のクランクをラビリンスセンターシール
　＆新品ベアリングでオーバーホールする
④新品クランクをラビリンスセンターシール
　仕様にモデファイし組み付けをする

ワタクシの尊敬するモトールエンジニアの
藤田さんは純正の新品が出ているうちは
新品クランクをオススメしています

自分も　もちろん新品クランクに交換が
一番のオススメですが････

なんと今現在の新品クランクシャフトの
価格は･･･　税込み　２３０,７８０円

年々値上がりし現在こんな価格です

新品が出るだけマシです！！！！！！
手に入らない機種が多いんですから！！

④の新品クランクをラビリンス化なんて
オススメしまくりたいところですが･･･
予算がとんでもない事になります

当店ではまだいませんが他ショップさん
では居らっしゃったそうです

オーバーホールではベアリングは新品に
なりますがクランク軸やコンロッドは
再利用なので新品クランクを入れるのが
予算が合えば絶対推奨です

ＮＳＲに一生乗るぞ！！！

と思っている人は予備クランクを今のうちに
買っておいた方が良いです　本当に

クランクが２３万円になってしまったので
更に売れなくなってしまったのは確実で！
販売数量が一定ラインを下回ってしまえば
ホンダは廃番にしてしまうのでワタクシは
数年もつかな。。。と言う考えです

ラビリンスクランクって何？？という人は
下リンクを【暇がある時に】読んで下さい

このブログシリーズも恐ろしく長いので
今読むと帰って来れなくなります

動画だけこのブログにも貼っておきます

ラビリンスクランクのプロトタイプの第２
ロットのテスターに選んで頂いたので

井上ボーリングさんに頼まれた訳ではない
のですが正式にリリースされる前に詳しい
説明の動画が必要と考え使命感に駆られて
勝手に作ってみました

２万回近い再生なので結構仕事してると
思います

ラビリンスシール化のメリットは

純正クランクシャフトのセンターシールは！
経験上走行３万とか４万キロもたずセンター
シールが抜けエンジンの不調をきたします

ワタクシの初号機は新車からNSR250Rに
乗っておりましたが　５万キロくらいで
初期症状が現れ６万キロを超えたところ
で完全に抜けて走行不能になりました

徐々に抜けていくパターンでした

その頃の時代は新品クランクがまだ安く
買えたのとオーバーホールができる時代
でもなかったので新品交換しました

２個目の新品クランクは３万キロちょいで
一瞬で走行不能になりました

なんと世の中には走行１０万キロオーバーで
センターシールが抜けていないという奇跡の
NSR250Rも存在します

一度和光２りんかんにご来店されたのですが
ちゃんとアイドリングも正常でした

ほぼ新車保管のMC28 NSR250Rが整備中に
センターシールが抜けていたという報告も
他のショップから頂いております

という事でセンターシールが抜けるのは
走り方でも使用しているオイルでもなく

運

なんだと思います

もちろん放置期間が有った場合クランクは
錆び・腐食が出てしまうので頻繁に乗って
いる方が抜けづらいと思います

むしろ６万キロもった自分の初期エンジンは
峠や湾岸やアレとかソレとか過酷な使い方を
していた時期なのに６万キロもちましたし

アクセルも雑　暖機も雑　でした

w

３万キロちょいで抜けたクランクの時は幾分
落ち着いて通勤で乗っていましたし暖機も
しっかりとしていたのにダメでした

このいつ抜けるか分からないセンターシール
にビクビクしながら乗らなくても良いのが
減らないセンターシール　ラビリンスです

その他のメリットはシールの抵抗が無く
なるので少しのアクセル開度で進むように
なったりします

馬力に限っては自分のＮＳＲや某レーサー
の方は上がりましたが変わらないという
声も有るので一概には言えません

デメリットはオーバーホールの価格が少し
上がってしまう位でしょうか？？？

エンジンが掛かりづらいという噂があるの
ですが自分が乗っている限りは体感できて
いないですし当店で組み込んだラビリンス
クランクエンジンの始動性が悪いか？？？
と言われれば疑問でしかありません

スタンダードクランクでも長期間エンジンを
始動してないと何十回キックしてもかからなく
なるＮＳＲもありますし。。。

ラビリンスに変えたからという先入観だけな
気がしてしまいます

自分のラビリンスエンジンは毎朝キック
１回、２回で始動しましたよ

現在ワタクシはフルノーマルエンジンですが
逆に始動性が良くなった気はしません

そんなこんなで当店ではラビリンスシール
クランクでのオーバーホールばかりです

今現在　継続発売されているクランクは
ＭＣ２８の物ですがＭＣ２１にも問題なく
使用、流用ができます

実は９０→９１でクランクシャフトの仕様が
変わっており大端部とセンターベアリングに
オイル穴が追加されています

そして９４～のＭＣ２８でまた変わり
クランクのベアリングにオイルが供給
されやすいように追加ホールが空いて
たりと仕様変更が繰り返されています

　　　　　　　　　情報 By ノザワホンダさん

設計図上でもクランクウェブの仕様が
変わってますが詳細は不明です

ＮＳＲシリーズ８７・８８・８９・９０
９１そして９４～のＭＣ２８モデルで！
６種類のクランクがあるんです

８７から毎年変わってるのが狂気ですね

【余談クランク寿命考察】

ワタクシの７０馬力仕様のエンジンは
新品クランクからのオーバーホールを
３回施工（３回目はラビリンス）で
トータルの走行距離が

１１万１０００ｋｍ

　　　　　　　　で力尽きました

実はコンロッド摩耗によるガタが原因で
結果　大端ベアリングを破壊したという
カラクリです

更に初出しの情報ですが実は１０万キロを
少し超えた所で【大端ベアリング】が逝き
エンジンブローしました

新品のクランクに交換しようと思いましたが
ついつい【好奇心】が湧いてしまいまして･･･

たまたま大端ベアリングが不良だったのでは？
とかクランク寿命は１０万キロ？？なのか
ついついテストしたくなりまして

片方だけ井上ボーリング製のコンロッドに
交換し１０万キロオーバー！のガタガタの
クランクで走行を再開するという暴挙

走行後すぐにエンジンから異音が発生

貴重な寿命を迎えクランクブロー寸前の
サウンドをお聞きください

乾式クラッチと排気音が混じっているので
かなり分かり辛いですがＮＳＲに乗っている
方であれば分かる方もいるかと

４スト単気筒のタペットの音に似たｶﾁｬｶﾁｬと
高めの【打音】が聞こえます

この状態でカーボンリードバルブとか
ビッグキャブのテストもしてました

こんな音を出して走っているＮＳＲに出会った
事が無かったのでいつブローするかと言う恐怖と
どこまで走れるんだろうと好奇心がありました

そして１１万１０００kmで井上ボーリング製
に変えたコンロッドの【反対側】のガタガタ
コンロッドの大端ベアリングが破損しました

最初のブローから１００００キロは乗れた
ので２年は延命できた事になります

コンロッド摩耗からの大端ベアリング破壊と
いうのはこれで証明ができました

破損個所が分かるでしょうか？？？

この僅かな破損した金属片がシリンダーに回り
ピストンとシリンダーがズタズタになりました

まず小さな金属片が燃焼室内で暴れまくり
ピストンを破壊。破壊されたピストンの
破片がまた周囲を壊していくという感じ

ほぼ通勤にしか乗らないＮＳＲですが
７０馬力出ているエンジンで１０万キロ
クランクシャフトがもったのはスゴい事
だと思っております

まぁ。異音が出ている時は６６馬力付近
までパワーダウンしていたのですが

センターシール抜けの起こらないラビリンス
クランクで１０万キロ以上オーバーホール
なしで走れそうな気もしますが･･･
左フライホイール側のオイルシールが抜ける
と思いますし上記の通りコンロッドも消耗し
大端ベアリング破損のリスクが高まるので！
途中でオーバーホールをした方が良いかと

６万キロを超えているクランクシャフトなら
コンロッドも井上ボーリングやＶＨＭの新品に
交換した方が良いかと思います

誰かみたいに大端ベアリング逝くので

左右ともコンロッドを新品に変えればあと
どの位乗れたのだろう？という好奇心も
ありますが貴重なシリンダーとヘッドを
２セットもロストしているのでこれ以上の
好奇心は止めた方が良いですね

クランクだけでかなり長くなりました

【シリンダー＆ヘッド】

ＭＣ２１・ＭＣ２８シリンダーは共通です

元々の純正品番は違います

ＭＣ２１とＭＣ２８はＲＣバルブ形状が違う
のでそれの品番変更だと思います

ＭＣ２８はＲＣバルブの作動角度が３度増えて
いるのでＭＣ２８にはＭＣ２８のＲＣバルブの
方が相性が良いはずです

シリンダーやシリンダーヘッドで注意して
頂きたいのが

ＭＣ２１･ＭＣ２８のシリンダー＆ヘッドは
【Ｌ】と【Ｈ】が存在します

湿式エンジンは【Ｈシリンダー＆Ｈヘッド】
乾式エンジンは【Ｌシリンダー＆Ｌヘッド】

Ｈシリンダーの高さは８６.３mm
Ｌシリンダーの高さは８６.５mm

Ｈヘッドの燃焼室容積は１１.０５ｃｃ
Ｌヘッドの燃焼室容積は１０.６０ｃｃ

ＬシリンダーにＨヘッドでは圧縮がダウン
ＨシリンダーにＬヘッドでは圧縮がアップ

　　　　　　　　　　してしまいます。。。

ここは期末テストに出題される可能性が
高いのでちゃんと復習するように

ベースガスケットの厚さを変えれば使えるぞ
なんて言っている人も居ますが圧縮は合わせ
られてもポートタイミングが変わってしまい
ますので止めましょう

２ストはポートタイミングが変って
しまうと結果【実】圧縮比も変わって
しまうので本末転倒です

当店で以前オーバーホールの際Ｌシリンダー
にＨヘッドが着いていてお客様も知らない
という事がありました

もしエンジンブローでヘッドにダメージが
いってしまい使用できなくなってしまった
場合はＶＨＭヘッドキットがございます

ＬシリンダーにもＨシリンダーにも対応した
インナーが出ているのでヘッドが手に入らない
場合はＶＨＭヘッドに頼ることもあります

【ミッション・クラッチ】

ケースベアリングはミッションのカウンター
シャフトとメインシャフトを支えている
ケース内側の大きいベアリングです

もろいものでも無いので腰下オーバーホール
の度に絶対やらなければいけないものでも
無いのですがどうせ全バラするので当店では
毎回交換しております

オイルシール系も全部純正が出るのが本当に
ホンダさんに感謝したい所

ミッションギヤやシフトチェンジの機構を
担っているパーツはほぼ全滅です

再販したＭＣ２８の５速・６速ギヤも
完売し在庫が無くなりました

NSR250Rはギヤ抜けしやすいミッション
ですが一度抜けだすとどんどん悪化し
酷いとその【速】が使えなくなります

強化シフトドラムスプリングなどで
防止できますが限界もあります

程度の良い中古ミッションを探すしか
今の所方法はありません

ミッションダボの修正ができればですが
まだチャレンジした事がありません

クラッチディスクプレートは乾式も湿式も
両方純正が手に入るのでご安心ください

クラッチインナー＆アウターですが･････

湿式はインナー＆アウターとも廃番

乾式はインナーはまだ純正新品が出ます

乾式クラッチアウターは再生産分も
完売し　もう手に入りません

　　でもでも某車種のが流用できるよ！！！！

【吸気系】

完売廃番→再生産を繰り返しついに最後の
ロット言われたインシュレーター在庫が底を
つきホンダの在庫が完全に無くなりました

詳しくは最後のリンクの純正部品再販シリーズをご覧下さい

社外が存在しないのでネットオークション
などで手に入れるしか方法がありません

もう一度ホンダさん生産してくれないかな
MC28は最後の方残ってしまってましたが
MC21は順当に売れていましたし

あとリードバルブもＡＳＳＹも出ますし
リードの羽単体も純正がまだあります

リード羽のみはホンダのシステムで出ない
のでバイク屋さんに行くとほとんどの場合
『あっ。廃番ですねー

もう無いです』
って言われてしまうとの事

しょうがないですよね。システム上選べ
なくなっているので

キャブパーツも社外と純正を組み合わせれば
ＭＣ２１＆２８のキャブはリフレッシュ可能

スライドバルブが摩耗でガタが出ている場合は
純正や社外が出ないのでそのまま再利用する
しか方法はありません

ちなみにガタガタのスライドバルブのままだと
燃調はズレますし摩耗を放置していると･･･

割れます！！

スライドバルブの一部が欠けてエンジン
ブローするのでお気を付けください

そんなこんなでＭＣ２１＆２８はあらゆる
エンジンの主要部品が純正新品で出ます

最後に現在の純正部品の価格情報です

２０２５年２月価格が跳ね上がりました

エンジンパーツの現在の税込み価格です

クランクシャフト　￥２３,０７８０【税込】
ピストン本体　　　　　￥９,０２０【税込】
ピストンリング　　　　￥４,８０７【税込】
ピストンピン　　　　　￥１,４８５【税込】
ヘッドガスケット　　　￥１,６６１【税込】
ベースガスケット　　　　￥６８２【税込】
リードバルブＡＳＳＹ　￥９,２４５【税込】
乾式クラッチ板一式　￥２８,５７８【税込】
乾式クラッチセンター　￥９,４０５【税込】

何年かに１度の価格改定を繰り返して
現在とんでもない価格になっています

クランクシャフトは２３万円。誤植じゃないです
ピストンはついに９,０００円台に突入

値上げ前は当店車体持ち込みでのエンジン
オーバーホール（腰上＆腰下）＆キャブＯＨ
をやると５５万～　クランクを新品にしたり
シリンダーにダメージがあって再メッキ等が
入ると８０万を超える事もありますが･･･

値上げ後は１０万くらいアップしそうです

なにしろオイルシールやベアリングなどの
パーツも全て上がっているので

『エンジンオーバーホールは早めに！！！』
『今しかできないかもしれませんよ！！』

と何年も前から繰り返し言ってきましたが
現実味が出てきちゃいました

今後も更に値上げが繰り返されると思います

そして当店は井上ボーリングさんにお願いし
クランクのオーバーホールやシリンダーの
再メッキの施工をお願いしておりますが

当店は送料や代引手数料がかからないので
下記の料金のみかかります

【クランクオーバーホール】
８８年式【通常センターシール仕様】
　　　　　　　￥１１２,９９２【税込】

８８年式【ラビリンスセンターシール仕様】
　　　　　　　￥１５２,５９２【税込】

８９～【通常センターシール仕様】
　　　　　　　　￥９８,４７２【税込】

８９～【ラビリンスセンターシール仕様】
　　　　　　　￥１３８,０７２【税込】

【シリンダー再メッキ＆ポート仕上げ】
　　　　　　　　￥４３,５６０【税込】

【シリンダー再生ＩＣＢＭ】
　　　　　　　￥１５８,４００【税込】

　　　　　　　　　　　　になります

クランクやシリンダーをお持込み頂き
届き次第お持ち帰り頂く場合も上記の
価格になりますのでご依頼は当店へ

あらゆる部品の価格が上がり工賃が上がり
今後も円安が続けば更に上がるはずです

あらゆるメーカーの価格改定により数年前は
４０万円台でできたエンジンオーバーホール
ですが６０万を超えるケースが殆どだと

しつこい様ですが今回の純正部品の価格改定
により純正部品の売れ行きが恐らく悪くなる
と思いますがそれにより売り上げ個数目標を
下回り　廃番になっていくパーツが数年内に
沢山出てくると自分は考えます

エンジンのオーバーホールなんてする予算
なんかない！時間がない！と思っている方！
せめて純正パーツだけは買っておいた方が
良いかと思います

インシュレーター再販の時に

『高い！』『ぼったくりだ』
『誰が買うか』『必要ない』

なんてコメントをネット上で沢山
見かけたのですが結局今現在
インシュレーターが手に入らず
困っている方が多いです

　　　　当店に在庫問い合わせが来ます。。。

特に自分が恐怖を感じているのが････
　　　　　　　ピストン････